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洗浄と洗剤

― 洗剤の構造や種類、汚れが落ちる仕組みについて ―

洗浄と洗剤の豆知識

洗剤について知る

汚れを洗浄するには色々な種類の洗剤を使用します。「○○用」等といった洗剤が多くあり選ぶにも一苦労したことはありませんか?

頑固な汚れの洗浄を行うには、対象とする素材の性質、付着した汚れの種類や汚れ方等、色々なケースがあり、誤った洗剤を使用すれば汚れを落とすどころが、素材を傷めたり、汚れが広がったりすることもあります。危険な洗剤では肌が荒れたり、咳き込んだりと、人にもダメージが加わったり、使用する規模が多ければ、環境を汚染してしまう原因にもなります。

まずは、適切な洗剤を用途に合わせて選ぶことが大切です。洗剤の種類や構造を知ることで、効率よく安全に汚れを落とすことができます。

■洗剤の種類

洗剤には大きく分類すると、酸性、中性、弱アルカリ性、アルカリ性のものがあります。それぞれには役割があり、それにあった用途・使用方法があります。いずれも「pH値(※1)」で数値化され、それを目安に洗剤の強弱を判断します。

酸性(pH1〜3) 温泉スケール、尿石、水垢、鉄サビなどの汚れが対象。洗剤の性質上、急激な洗浄力はなく、こまめに繰り返し溶かしていくイメージで使用します。酸性洗剤を使用する注意点として、素材を傷めやすいので慎重な作業が必要になります。(例、金属、コンクリート、大理石等の腐食)
中性(pH6〜8) 一般的に中性洗剤と呼ばれている洗剤です。市販のトイレ・お風呂や食器洗い用に多く、特徴としては素材に優しく、取り扱いも比較的安全です。日常のクリーナーとしては最適な洗剤です。洗浄力は低く、頑固な汚れにはあまり効果を発揮しません。
弱アルカリ性(pH9〜11) 家庭で使用する洗剤としては最も汎用的な洗剤です。洗浄能力は中性洗剤より優れます。特徴として、アルカリ成分が、油脂・たんぱく質を分解するので台所やお風呂、ガラスに対して使用すると効果的です。素手で使用する際は手荒れれ防止のためゴム手袋を使用しなければなりません。
アルカリ性(pH11〜14) 強力なアルカリ成分の作用で頑固な油脂が付着した汚れを分解して落とす洗剤。ガスレンジやダクト等油が堆積する部分で使用します。洗浄力は強力なので、取り扱いに注意が必要です。使用時は、保護メガネ、ゴム手袋は忘れず使用しなければなりません。また、洗剤の拭き残しがないようにしっかりとすすがなければならないため、手間がかかります

※1.pH値って?

pH値画像

pH値とは、酸性、アルカリ性のレベルを数値として表わすための値です。水素イオンの濃度指数を英語の略でpH値と呼ばれています。中性の値7.0を基準に、値が小さくなるにつれて酸性度が増し、大きくなればアルカリ度が高いことを示します。

洗剤の成分と構造

■洗剤の成分

家庭用・業務用問わず、洗剤の種類は様々なものがあります。また、その成分も様々ですが、一般的な成分として、主に界面活性剤と洗浄助剤で構成されています。界面活性剤は、「水と油」を混ぜる役割を果たし、本来なら仲の悪い「水と油」をくっつけて汚れを落とします。洗浄助剤とは、洗浄効果は持ちませんが、界面活性剤の役割を補助することで洗浄能力をUPさせる役割を果たしています。この助剤の種類により、酸性やアルカリ性といった洗剤の性質等を変えたり、その他添加剤等の処方により様々な付加価値がつけられることで製品としての個性を調整することができます。

■洗剤の構造(界面活性剤)

界面活性剤の分子イメージ画像

界面活性剤の分子の構造は、分子の中に油と混ざりやすい(親油性)部分と水になじみやすい(親水性)部分を兼ね備えています。。分子のイメージでは長い棒の部分は油と混ざりやすい親油性で、端の丸い部分は親水性で水と仲良しです。この二つの性質を持つことにより「水と油」を混ぜる役割を果たし、本来なら仲の悪い「水と油」をくっつけて汚れを落とします。界面活性剤は「水にも油にも仲良し」といえます。これが大きな特徴です。

また、界面とは、物質の境の面のことをいい、界面活性剤はその特徴を活かし、界面に作用して汚れを浮き上がらせるような洗浄効果を発揮します。

洗浄助剤(ビルダー)とは?

助剤はその名のとおり、洗剤の能力をUPさせるための補助的な役割を果たします。先に挙げた洗浄助剤について、具体的にどのような種類があるのでしょうか?その一例を下記に参照しました。

キレート剤 キレート剤は、金属イオンを挟み込むことでイオンとして作用できない状態にさせる化学物質です。別名を金属イオン封鎖剤といい、金属イオンを動けなくして洗剤の働きを効率よくすることで性能を向上させます。(例.クエン酸等)
分散剤 分散剤は、洗浄中に落ちた汚れを洗浄水中に分散させ、再び洗浄対象物に付かないようにする成分です。汚れの再付着防止剤として用いられます。(例.ポリアクリル酸系物質等)
pH調整剤 pH調整剤は、液性(pH)を安定化させたり、洗剤を製造する際に製品のpHを調整するために用いられます。適度な液性を保たせることで、洗浄能力の安定化がはかれます。(例.炭酸ナトリウム等)

界面活性剤とは?

界面活性剤の分子イメージ画像2

界面活性剤は、汚れを落とす洗浄剤の主成分で、油や疎水性の汚れを包み込むようにして、洗浄水中へと取りこみ汚れを落とします。界面活性剤には用途により種類や成分が異なり、その作用は多岐にわたります。

■界面活性剤の種類

界面活性剤の種類 主に含有されている物 成  分
陰イオン系界面活性剤 洗濯用洗剤、台所用洗剤、シャンプーなど セッケン、LAS(アルキルベンゼンスルホン酸塩)など
非イオン系界面活性剤 合成洗剤、中性洗剤など ポリエチレンオキシド付加物、糖エステルなど
陽イオン系界面活性剤 逆性セッケン、柔軟仕上げ剤、リンス、静電防止剤など 塩化ベンザルコニウムなどの第四アンモニウム塩
両性界面活性剤 ベビーシャンプーなど カルボン酸型、硫酸エステル型など

洗浄の仕組み

界面活性剤の分子イメージ画像3

洗剤が汚れを落とす仕組みとして、まず洗浄助剤の役割で汚れを細かくしたものを界面活性剤の作用で汚れを浮かせることで除去することができます。

界面活性剤の親油基は水との相性が悪いため、親水基を常に水側、親油基を汚れや油のほうに向けるような形で、汚れの対象に向かい始めます。それの繰り返しで汚れを包み込み、最終的には親水基に包まれたように洗浄水となじみ汚れは水中へと溶け出します。

まとめ

このように洗浄を行うには、対象とする素材の性質、付着した汚れの種類や汚れ方等、色々なケースを見極めた上で、それに適した洗剤を用途に合わせて選ぶことが大切です。また、洗剤のベースとなる界面活性剤の作用とその助剤の役割をしることで効率よく安全に汚れを落とすことの手助けとなります。

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