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ニオイと消臭
― ニオイの原因や消臭の仕組み、消臭の仕方などの豆知識 ―
いざ消臭!…その前に、敵(ニオイ)について知る。
どうしても人が生活する上でニオイというものは発生します。その中でも、畳のようにいい香りもあれば、汗の染み込んだ衣服やトイレ、腐った食べ物などの不快なニオイもあります。特に人は不快なニオイには敏感です。それでは人が不快だと感じるニオイとはどんなものなのでしょうか?なぜ不快に感じてしまうのでしょうか?
基本的に生物の身体というものはタンパク質で構成されています。また、タンパク質は多くのアミノ酸により作られています。腐敗したタンパク質はとても有害で、それを食べ物として食べてしまわないように、アミノ酸が分解されて発生する揮発性の高い物質の臭いが、「クサイ」ニオイとして人間が不快に感じるように嗅覚が脳を通じて機能している言われています。
前に挙げたアンモニアのような物質をはじめニオイの原因となる物質は他にもたくさん存在しています。
■主なニオイ(悪臭)の種類
アンモニア | 生体やその排泄物などの分解、腐敗によって発生するし尿臭、刺激臭のある化学物質。 |
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メチルメルカプタン | 化製場、し尿処理場、下水処理場などにおいて発生する腐った玉ねぎのようなにおいのする化学物質。 |
硫化水素 | 化製場・下水処理場・し尿処理場・ごみ処理場等において、排泄物などの分解、腐敗などに伴い発生する腐った卵のようなにおいのする化学物質。 |
硫化メチル | 化製場、魚腸骨処理場、し尿処理場、下水処理場、ごみ処理場などにおいて発生する腐ったキャベツのようなにおいの化学物質。 |
二硫化メチル | クラフトパルプ製造業等において発生する刺激性が強くにんにくに似た特有の硫黄臭のする化学物質。 |
トリメチルアミン | 畜産事業場、化製場、魚腸骨処理場、水産缶詰工場等において発生する魚の腐ったようなにおいのある物質。 |
アセトアルデヒド | 工場、自動車排出ガスやたばこの煙等から発生する青ぐさい刺激臭のある化学物質。 |
スチレン | ポリスチレン樹脂、ABS樹脂のなどの原料。都市ガスのような臭いの物質。 |
私たちが生活する中で気になるニオイの種類のほとんどが上記の組み合わせになります。しかし、ニオイ(悪臭)は発生源が複雑であるうえに、単純な物質ではないためこれといった解決方法がないままその対策も遅れています。
ニオイに関する問題は、私たちの健康に直接被害を及ぼすというよりかは、どちらかといえば感覚的な問題であることから、「感覚公害」と呼ばれています。人間が生活するうえで日常的に嗅覚により感じることができる環境問題であり、特に私たちの生活に密着している問題です。
■生活の中のニオイを考える
ニオイの原因となる物質は、様々に複合して嫌な悪臭となります。いざ消臭!の前に、ニオイの種類を見極め、それに合った処理を行う必要があります。消臭剤の種類によって対応する原因物質が異なるので、間違った処理や選択を行えば十分な消臭効果を得ることなくムダな時間とコストがかかってしまします。
以下の表は日常でよく「鼻」にする、代表的なニオイとその元となる主な原因物質の組み合わせの一例です。
トイレのニオイ | 硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二酸化メチル、アンモニア、イソ吉草酸、窒素化合物 |
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生ゴミのニオイ | 硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、アンモニア、トリメチルアミン、アルコール類 |
台所のニオイ | 硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、トリメチルアミン |
タバコのニオイ | アセトアルデヒド、炭化水素類、アルコール類、エステル類 |
ペットのニオイ | 硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、アンモニア、トリメチルアミン、イソ吉草酸、エステル類、窒素化合物等 |
カビのニオイ | 硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア |
このように、嫌なニオイは複雑に組み合わされています。この難敵をやっつけるには、これらニオイの原因物質の頑丈な結合をバラバラに切って分解しなければなりません。
ニオイの除去方法と仕組み
消臭をする場合、色々な消臭剤や使い方があります。しかし、ただ適当にスプレーしても簡単にはニオイは消えてくれません。たとえ一時的に消臭されてもまた臭ってくることも多くあります。
それぞれのニオイの性質等から適切な消臭方法や消臭剤を使用することにより、効率よくニオイの対策をすることができます。
■消臭方法の種類
マスキング法
芳香成分など、臭気よりも強い隠蔽剤を用いて悪臭成分を封じる方法。(市販の芳香剤や消臭スプレー等)
吸着法
活性炭、イオン交換樹脂などによる処理方法。
洗浄法
水洗、薬液洗浄による処理方法。
燃焼法
摂氏650℃以上の直接燃焼法、摂氏300〜400℃で酸化する燃焼分解法(白金触媒使用)
酸化法
オゾンによる酸化分解とマスキング効果を用いて塩素・過マンガン酸カリに処理する方法。
中和法
臭いを適度に組み合わせ、臭気を弱める方法。(エチルメルカプタンとユーカリ油など)
生物学的方法
微生物、菌を殺滅して腐敗防止することによって悪臭を除去する方法。
その他
電極法、凝集法等による消臭方法。
まとめ
ニオイの種類や成分を知ることで最適な消臭方法、ニオイの対策法を見極めることができます。また、上記の消臭方法の種類から最も効率がよい作業方法を選べることができます。
このページで紹介した方法のなかには専門的でなかなかご自身で対策できないものもありますが、「自らできるニオイ・汚れ対策」のページでは具体的な実践方法を簡単に紹介しています。ぜひチャレンジしてください。嫌なニオイをすっきり消してクリーンライフを実現しましょう!